天井裏で音がする。
台所の隅に、かじられた跡がある。
それはネズミのしわざかもしれません。
ネズミの被害を止める有効な方法の一つは「どこから入られているのか」を突き止めることです!
葛飾区は、家に入られないように家を点検し、ねずみの侵入口を見つけたらふさぐことが効果的だとしています。
まだ正体が絞れていない方は、先にこちらを確認してみてください。

ただし、侵入口を探すときは家全体を確認するようにしましょう。
例えば床下や排水まわりばかり確認して、天井や屋根まわりを見ない。
これでは不十分。
ネズミは種類によって、入ってくる高さが違います。
この記事では、侵入口になりやすい5か所を押さえたうえで、種類別にどの高さを探せばいいのか、見つけた穴を何で塞げばいいのかまでをまとめます。
ネズミはどこから入ってくるのか
葛飾区は、一般の住宅では次の5か所がねずみの格好の出入り口になるとしています。
| 侵入口 | 見るところ |
|---|---|
| 通風口 | 床下や浴室まわりの換気口。網が外れていないか |
| 換気扇 | 台所・浴室・トイレ。使っていないときのフードの隙間 |
| エアコンの取り付け口 | 配管を通した壁の穴。パテの劣化や欠け |
| 外壁の隙間 | ひび割れ、基礎と壁の継ぎ目、配管まわりの欠け |
| 排水管の周囲 | 管そのものではなく、管が壁や床を貫通している部分の隙間 |
通風口は、もともと空気を通すためにあいている穴です。
網が張ってあっても、外れていたり破れていたりすれば、そのまま通り道になります。
床下の通風口もしっかりしゃがんで確認しましょう。
上からでは見えづらいところに穴があるかもしれません。
換気扇は、回っていないときが問題になります。
外側のフードとダクトの間に隙間ができていないかを見てください。
隙間ができていたら修理・交換を検討しましょう。
エアコンの取り付け口は、配管を通すために壁へ穴をあけた場所です。
施工時にパテで埋めてありますが、年数が経つと痩せたり欠けたりします。
外側のほうが劣化しやすいので、必ず外側を確認しましょう。
外壁の隙間は、ひび割れだけでなく、基礎と壁の継ぎ目や配管まわりの欠けも含みます。
家をぐるりと一周して、上から下まで見るのが基本です。
排水管の周囲は、管の中ではなく、管が壁や床を貫通している部分の隙間を指します。
荒川区も、通気口とパイプの貫通部分を挙げ、通気口には金網を張り、パイプの貫通部分の隙間などはふさぐようすすめています。
種類によって入ってくる高さが違う
家に出没するネズミは主に3種類。
クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミです。
この3種類はそれぞれ好む生活環境が違います。
ここではクマネズミとドブネズミの侵入経路の特徴をご紹介します。
クマネズミは登って入る
葛飾区は、クマネズミについて運動能力が高く、壁や電柱を軽くよじ登って家の中へ入ると説明しています。
生息場所として挙げられているのも、ビル内部の高い場所、壁の中、天井裏です。
地面を這って入ってくるのではなく、上から入ってくるネズミだということなんですね。
したがって、点検する範囲が広がります。
屋根まわり、2階の配管が壁を貫通している部分、雨どいの付近まで見る必要があります。
電線や樹木の枝が屋根に接している場所も注意して確認しましょう。
また、葛飾区が生息場所として「壁の中」を挙げている点も、見落とせないところです。
壁の内側を移動できるということは、外壁のどこかに入り口があり、そこから上下に動いているということになります。
外壁の点検も上から下までくまなく行っていきましょう。
ぜひ上から下まで、くまなく確認してみてください!
ドブネズミは地面から入る
ドブネズミはクマネズミとは対照的です。
垂直運動や綱渡りは得意ではないが、泳ぎは上手だとしています。
水辺を好み、多湿や寒さに強い性質があり、生息場所は植え込み、下水溝、下水管、公園の地面、ビルの低層階です。
登るのが苦手なぶん、入り口は低いところに集中します。
排水管が壁や床を貫通している部分、床下の通風口、基礎の欠け。
このあたりが最初に見る場所になります。
墨田区も、ドブネズミは土台や下水マスに沿って穴を掘り、床下から侵入する場合があるとしています。
泳ぎが得意という点も見落とせません。
下水管まわりが侵入経路になり得るのは、水を苦にしないからです。
多湿や寒さに強いので、床下や水まわりのような湿った環境も、ドブネズミにとっては苦になりません。
人間の感覚では「こんな湿ったところは通らないだろう」と思える場所が、そのまま通り道になっているということです。
台所や浴室、1階の水まわりで音や気配がするなら、目線を下げて探してください。
家のまわりに植え込みや側溝があるなら、そこから外壁までの動線も一度たどってみるといいですよ。
種類が分かれば探す場所が絞れる
3種の傾向を、点検する場所という形で並べ直すと次のようになります。
| 種類 | 入ってくる高さ | 優先して見る場所 |
|---|---|---|
| クマネズミ | 高い | 屋根まわり、2階の配管貫通部、雨どい付近、天井裏 |
| ドブネズミ | 低い | 排水管の貫通部、床下の通風口、基礎の欠け |
| ハツカネズミ | 低い〜中 | 縁の下、外壁と内壁の間、納屋や物置まわり |
ハツカネズミは運動量がクマネズミほど高くはないとしています。
秋から冬にかけて農家や納屋に侵入し、縁の下や外壁と内壁の間などに巣を作ります。
家に出ているのがどの種類かがわかれば、点検する範囲は半分以下に絞れます。
大きさ・糞・出る場所からの見分け方は、こちらにまとめています。

種類がどうしても絞り込めないときは、音や気配のする高さから始めてください。
天井から聞こえるなら上を、水まわりや床下から聞こえるなら下を先に見る。
どうしても侵入経路が分からない場合は業者に依頼するという方法もあります。
出典:墨田区「ネズミの防除」
何cmの隙間から入るのか
塞ぐ穴の大きさを決めるために、数値を確認しておきます。
ここは出典によって書かれている数字が違うので、両方を並べます。
| 出典 | 通り抜ける隙間 | 書き方 |
|---|---|---|
| 葛飾区 | 約1.5cm | 被害の多いクマネズミは約1.5cm位のわずかな隙間からでも自在に出入りする |
| 荒川区 | 2cm程度 | 2cm程度の穴でも通りぬけることがある |
少し違いはありますが、なんと1.5cmほどの隙間があれば侵入されてしまうんですよ!
びっくりしませんか?
たった1.5cmですよ!?
葛飾区は、外壁などに1.5cm以上の穴を見つけたら補修するようすすめています。
だいたい1.5cmの隙間を確認する方法が江東区の公式サイトに掲載されています。
ねずみは人の親指が入るほど(約1.5センチメートルぐらい)の隙間があれば屋内に侵入できる。
と書かれているんです。
隙間を見つけたら、親指を当ててみてください。
入りそうなら、そこは塞ぐ対象です。
では、親指が入らない隙間なら安心かというと、そうとも言い切れません。
千代田区はクマネズミについて、侵入口の大きさが1センチメートル以上あれば、かじって穴を拡げて侵入すると説明しています。
ネズミの歯が1年に1cmほど伸びるため、絶えず何かをかじっています。
かじる習性が、そのまま侵入口を広げる行動につながっているわけです。
今日1cmの穴が、明日も1cmのままとはかぎりません。
「この隙間なら小さいから大丈夫」という判断はとても危険です!
侵入口の見つけ方
穴を探すといっても、家じゅうの隙間を一つずつ測っていくわけにはいきません。
ネズミが残していく痕跡から、当たりをつけていきます。
ラットサイン
荒川区は、通路となる柱、パイプ、壁面には、体の油と汚れで黒光りした跡ができると説明しています。
これがラットサインです。
同じ場所を何度も通ることでできるので、跡があればそこが通り道だと判断できます。
荒川区は、ラットサインがドブネズミとクマネズミで異なった特徴を示すとも書いています。
通り道は一定している
荒川区によれば、ネズミは通路や物陰に沿って行動し、通り道は一定しています。
壁ぎわ、柱の裏、配管に沿った部分。
部屋の真ん中ではなく、こうした縁に沿って探すほうが効率的です。
かじり跡
先に触れたかじる習性は、痕跡としても残ります。
その付近を通っている証拠ですね。
巣になりやすい場所
葛飾区は、巣を作る場所として壁の中、屋根裏、押し入れ、天袋、家具の裏、冷蔵庫などの電気器具の裏を挙げています。
巣の近くには、必ず外へ通じる経路があります。
痕跡が集中している場所を見つけたら、そこから壁の外側へ視線を伸ばしてください。
大田区の公式サイトでは「ネズミの侵入箇所点検実例写真集」が紹介されています。
こちらもぜひ確認してみてください。
大田区 ネズミの侵入箇所点検実例写真集
写真集には、見落としやすい侵入口の実例が、屋外と家の中に分けて載っています。
屋外で見落としやすい場所
床下の通風口は、破損しているものだけでなく、破損はなくても上部に隙間があるものも載っていて、鏡を使って下から見るよう書かれています。
ほかにも、基礎と壁の間の隙間(とくに角)、フタのない散水栓ボックス、バランス釜の排気口の上部、配管カバーの開口部、雨戸の戸袋、閉じない換気扇のダンパーが挙げられています。
家の中で見落としやすい場所
玄関のカマチの下、大きく開いた洗濯機の排水口、ずれた押入の天板、和室のカモイ(ナゲシ)、流し台の下の排水管まわり、ブレーカーの下などが載っています。
侵入口かどうかを確かめる
墨田区の公式サイトによると、戸袋やシャッターなどが侵入口かどうかを確かめるには、隙間に紙を貼ってみる方法があるそうです。
侵入口であれば、紙はすぐに破られるとのことです。
出典:大田区「ネズミの侵入箇所点検実例写真集」/墨田区「ネズミの防除」
侵入口を塞ぐ材料
穴が見つかったら、次は材料です。
葛飾区は、外壁などに1.5cm以上の穴を見つけたら、細かい目の金網や金属タワシ、コンクリート、パテなど、ねずみにかじられにくい材料で補修することが大切だとしています。
大阪市城東区も、エアコンや台所のパイプ周りにすき間があれば、金属たわしや網目1センチメートル以下の金網などでふさいでおくよう案内しています。
材料ごとの向き不向きを整理します。
| 材料 | 向いている場所 | 使うときのポイント |
|---|---|---|
| 金網 | 通風口、換気扇のフード、通気口 | 空気を通したまま塞げる。網目は細かいもの(亀甲金網など)を選ぶ |
| 金属タワシ | 配管まわり、奥行きのある隙間 | 形の定まらない穴に押し込める。単体では抜けやすいので併用する |
| パテ | エアコンの配管貫通部、細い隙間 | 金属タワシを詰めたうえから覆う使い方が現実的 |
| コンクリート | 基礎の欠け、外壁のひび | 固まると強いが、乾燥に時間がかかる |
金網は、通風口や換気扇のように空気を通す必要がある場所で使います。
塞ぐと換気ができなくなる場所は、板でふさぐわけにいきません。
床下の換気孔については、法令にも決まりがあります。
建築基準法施行令の第22条は、最下階の居室の床が木造である場合について、外壁の床下部分に換気孔を設け、そこに「ねずみの侵入を防ぐための設備をすること」を定めています(床下をコンクリートなどで覆う場合などは除かれています)。
法令のうえでは、換気孔を設けたうえで、そこにねずみの侵入を防ぐ設備をする、という形になっているわけです。
床下の換気孔の見方は、こちらにまとめています。

選ぶときにはとにかく網目の細かいものを選びましょう。
千代田区は、クマネズミの侵入口をふさぐ材料として金属製のたわしと亀甲金網を挙げています。
金属タワシは、形の決まっていない隙間に強い材料です。
配管と壁の間のような、まっすぐでない穴に押し込んで使えます。
ただし詰めただけでは押し出されることがあるので、上からパテで覆うのが定番の組み合わせになります。
パテは、エアコンの配管まわりのように、もともとパテで埋めてあった場所の補修に向いています。
厚みが取れない細い隙間にも使えます。
コンクリートは、基礎の欠けや外壁のひびといった、構造側の穴に使う材料です。
固まってしまえば強いぶん、作業と乾燥に時間がかかります。
材料選びで大事なことはかじられにくい材料かどうか。
葛飾区が挙げているのは金網・金属タワシ・コンクリート・パテで、いずれも金属かセメント系、あるいは補修用のパテです。
手近にある布やスポンジ、粘着テープで穴をふさぎたくなりますが、公的資料が名前を挙げているのは、あくまで硬い材料のほうです。
柔らかいもので楽に対処したくなりますが、塞いだつもりになりやすいところが厄介です。
墨田区が書いている材料の使い方
墨田区の公式サイトでは、侵入口を一時的にふさぐ材料として、金網・金属タワシ・パテ・家庭用セメントが挙げられていて、それぞれの使い方も書かれています。
金網は、釘やステップルで打ち付ける、万能接着剤で貼る、丸めて平らにつぶして隙間に押し込む、といった使い方です。
金属タワシは、隙間や穴にきつく押し込みます。
パテは配管まわりの隙間に、家庭用セメントは土台と壁の隙間や破損部に使うとされています。
金網の網目の大きさ
金網の網目は、出典によって書かれている数字が違うので、両方を並べておきます。
墨田区は網目が8ミリ以下のもの、大阪市城東区は網目1センチメートル以下の金網としています。
隙間をふさぐ材料を含め、ネズミ対策のグッズは、こちらで種類ごとに整理しています。

出典:墨田区「ネズミの防除」/e-Gov法令検索「建築基準法施行令」
ネズミが家の中にいるときの塞ぎ方
見つけた侵入口を、その日のうちに全部ふさいでしまいたくなるかもしれません。
ただ、墨田区の公式サイトには、次のように書かれています。
「いきなり侵入口を全部ふさぐと、天井裏や床下などで死んで、悪臭やハエが発生することがあります。」
そのうえで墨田区は、家ネズミを追い出した後に侵入口をふさぐよう案内していて、その手順も示しています。
1. 食べ物と水をなくす
家の中の食べ物をネズミに盗られないようにし、流し台などの食器にたまった水や、縁にはねた水滴もふき取っておきます。
2. ふさぎやすい1か所だけを残す
侵入箇所がいくつもある場合は、いちばんふさぎやすい場所以外を、すべてふさいでおきます。
3. 残した1か所を、夕方に仮にふさぎ、翌朝にあける
墨田区は、この理由を「閉じ込められると、警戒して侵入しなくなります。」と説明しています。
4. 2〜3日くり返してから、しっかりふさぐ
これを2〜3日くり返し、夜にネズミの気配がなければ、穴をしっかりふさぎます。
5. また気配がしたら、ほかの侵入口を探す
しばらくして再びネズミの気配があった場合は、まだほかに侵入口があるので、同じ手順をくり返すとのことです。
墨田区は、常に出入りしている穴の縁には、黒く薄汚れたラットサインが見られるとしています。
ふさぐ作業を含めた、自分で対策するときの流れ全体は、こちらにまとめています。

出典:墨田区「ネズミの防除」
自分で塞げない場所がある
全部を自分でやろうとしないほうがいい場所もあります。
葛飾区は、自分ですき間をふさぐことができない場合や、危険が伴う配電盤等の穴をふさぐ場合は、専門の業者に依頼するよう案内しています。
具体的には、次のような場所です。
配電盤や電気配線まわり
感電のおそれがある場所です。
葛飾区が名指しで挙げているのはここで、自分でやる範囲から外して考えてください。
大田区の写真集も、分電盤やブレーカーの周辺は、自分で穴をふさがないよう注意を呼びかけています。
感電や火災などの事故につながるおそれがあるとして、疑わしいときは電気工事業者に依頼するよう書かれています。
屋根まわり・2階の高所
クマネズミの侵入口は高い場所に多いのですが、そこは同時に、脚立に乗って作業する場所でもあります。
落ちる危険を背負って、自分でやるかどうかは十分に検討してください。
床下
潜って移動しながらの作業になり、狭さと姿勢の問題があります。
外から見える通風口までは自分で、その奥は業者に、という線引きが現実的です。
塞げる場所を自分で塞ぎ、危ない場所だけ人に頼む。
自分で対処していて怪我をしてしまっては意味がありませんからね。
業者に頼むかどうかの判断材料は、ネズミ駆除全体をまとめたこちらで扱っています。

よくある質問
Q. 侵入口は全部塞がないと意味がないですか?
最終的には全部の侵入口をふさぎます。
ただ、ネズミが家の中にいるなら、いきなり全部はふさがず、上の「ネズミが家の中にいるときの塞ぎ方」の手順で進めてください。
Q. どこから入られているのか、どうしても見つかりません。
痕跡から探すほうが早いこともあります。
柱やパイプの黒光りした跡、かじり跡、音のする場所。
この3つが集まっている付近から、外壁側へたどってください。
Q. 1cm程度の隙間なら放っておいていいですか?
1cm程度の小さな隙間でもかじって広げられることがあります。
また、経年劣化で広がってしまうこともあります。
小さいから処置をしないのではなく、小さいうちに処置しておくのがおすすめです。
Q. 塞いだのに、また音がします。
別の侵入口が残っている可能性があります。
天井裏から音がするなら、床下ではなく屋根まわりを見てください。
種類によって入る高さが違うのは、この記事で見てきたとおりです。
Q. 賃貸住宅でも自分で塞いでいいですか?
契約書や管理会社、大家さんの判断となります。
ネズミの問題は管理会社や大家さんにとっても大問題。
相談すると、自己負担なしで対応してもらえるかもしれません。
交渉するのもいいですね。
ネズミ対策の土台は入り口を塞ぐこと。
葛飾区の資料にはこうあります。
天井裏で音がするならクマネズミを想定して屋根まわりを、水まわりで気配がするならドブネズミを想定して排水管の貫通部を見てください。
侵入口を見つけたら、かじられにくい材料で塞ぐ。
まずは家を一周して、5か所を順番に確認してみてください。


