夜、天井の上で何かが動く音がする。
朝になって見たら、家のまわりに見慣れない糞が落ちていた。
屋根裏に入り込む動物は、1種類ではありません。
ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマ、コウモリ——それぞれ別の自治体が、別の資料で注意を呼びかけています。
判断の手がかりとして挙げられるのは、入ってこられる隙間の大きさ、落ちている糞、住みつく場所、活動する時間帯です。
この記事では、家を見て自分で確かめられるものだけを使って、候補を絞っていきます。
ぜひ屋根裏の音に当たりをつけて、次の行動につなげてみてください。
屋根裏に入る動物は1種類ではない
まず、どんな動物が屋根裏に入るのかを並べておきます。
いろいろな自治体が資料を出して注意を呼びかけているのは、主に次の5つです。
| 動物 | 資料を出している自治体(例) |
|---|---|
| ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ) | 葛飾区・荒川区 |
| イタチ | 堺市 |
| ハクビシン | 練馬区 |
| アライグマ | 練馬区 |
| コウモリ | 川越市・朝倉市 |
いろいろな自治体がいろいろな動物に対して注意喚起しています。
こんなに多くの動物が屋根裏に侵入する可能性があるとは。。。
調べてみて驚きました。
資料がバラバラでは判断が難しいですが。。。
そこでこちらではその資料をまとめてみました!
音だけでは決まらない
屋根裏で音がしたとき、多くの方が最初に検索するのは音のことだと思います。
ドタドタと重い音なのか、カサカサと軽い音なのか。
走り回っているのか、引きずっているのか。
ところが、ここまで挙げた自治体の資料を読んでも、足音の種類から動物を判別するという記述は出てきません。
堺市はイタチについて「天井裏を走り回ってうるさくて眠られない」という苦情を紹介していますが。。。
どういう音だったのかは不明です。
音が動物の種類を示す、という部分は見つけることができませんでした。
鳴き声も同じです。
「この鳴き声ならこの動物」という判別表を公的資料が示している例は、確認できていません。
音は「何かがいる」ことは教えてくれますが、「何がいるか」までは教えてくれないと考えたほうがよさそうです。
天井板をはさんだ向こう側の音を、人間の耳がどこまで正確に聞き分けられるか。
トコトコなのか、コトコトなのか。
音の表現も人それぞれ。
音で判断するのは非常に難しいと言えます。
では何で絞るのか。
自治体の資料では、次の4つが挙げられています。
| 手がかり | 確かめ方 |
|---|---|
| 入ってこられる隙間の大きさ | 家の外壁・軒下・屋根まわりを見て、開いている穴の大きさを測る |
| 糞 | 家のまわりや屋根裏の入口付近に落ちているものの大きさを見る |
| 住みつく場所 | 音や気配のする場所が家の上のほうか、下のほうか |
| 活動する時間帯 | 夜だけか、昼にも気配があるか |
このうち、比較的実用的なのが最初の2つです。
穴の大きさと糞は、屋根裏に上がらなくても、家のまわりを歩けば確かめられるケースも多いです。
順番に見ていきましょう。
入れる隙間の大きさで絞る
体の大きい動物ほど、通るには大きな隙間が必要になります。
当たり前のようですが、絞り込みにはいちばん効く手がかりです。
自治体の資料に書かれている数値をまとめると、次のようになります。
| 動物 | 資料に書かれている隙間の大きさ | 出典 |
|---|---|---|
| ネズミ | 1.5cm以上の穴/2cm程度の穴でも通りぬけることがある | 葛飾区・荒川区 |
| イタチ | 直径3cm足らずの隙間をすり抜ける | 堺市 |
| ハクビシン | 8cm四方、円なら直径10cm程度 | 練馬区 |
| アライグマ | 記載なし | — |
| コウモリ | 記載なし | — |
出典:葛飾区「ねずみ駆除の手引き」/荒川区「ネズミの上手な退治法」/堺市「イタチでお困りの方へ」/練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」
アライグマとコウモリについては、隙間の大きさを示した公的資料が見当たりませんでした。
練馬区の資料は、アライグマとハクビシンを並べて説明していますが、隙間の数値が書かれているのはハクビシンだけでした。
コウモリについても、川越市と朝倉市の資料に侵入できる隙間の数値は出てきません。
駆除業者のサイトには書かれているところもあるので、気になったらぜひチェックしてみてください。
数値の読み方
侵入口(穴)が小さければ小さいほど、何が侵入しているのか特定が楽です。
1.5cm程度の穴だと、ネズミは通れてもハクビシンやイタチは通る可能性低いでしょう。
しかし、ハクビシンが通れるような穴だと、ネズミもイタチも侵入することができます。
おそらくはコウモリも通り抜けられるのではないでしょうか。
なので、侵入口の大きさで判別する方法は、残念ながら非常にざっくりとした判断基準となります。
もし侵入口が大きい場合は、複数の判断基準を総合的に見る必要があります。
穴を探すときに見る場所
では、どこを見ればいいでしょうか。
基本的には上の方を中心に確認していくことになります。
軒下、屋根と壁の継ぎ目、通気口、配管が壁を貫いている部分などなど。
このあたりを入念に確認していきましょう。
葛飾区の資料によると、ネズミは1.5cm程度の隙間でも侵入できます。
小さな穴でも見逃さないように、目を凝らして、できれば何人かの目で見ていくのがおすすめです。
ついでに下の方まで眺めてみて、穴ができていないか、隙間はないかチェックすると二度手間にならないのでおすすめです。
もし穴を見つけたら。。。
早急に補修をしましょう!
通気口には金網を張り、パイプの貫通部分の隙間などはパテなどでふさぐようにと、荒川区の公式サイトには書かれています。
ハクビシンは屋根から侵入することがあり、イタチは垂直の壁でも平気で登ります。
念には念を入れて確認しておく必要があります。
ネズミの侵入経路については、以下の記事に詳しくまとめました。

糞で絞る
2つめの手がかりが糞です。
自治体の資料ではネズミとコウモリについて確認が取れました。
ネズミの糞
葛飾区は、3種のネズミについて糞の大きさを解説しています。
| 種類 | 糞の大きさ |
|---|---|
| ドブネズミ | 1〜2cm |
| クマネズミ | 0.6〜1cm |
| ハツカネズミ | 0.4〜0.7cm |
いちばん大きいドブネズミでも1〜2cmです。
3種のなかの大小はありますが、屋根裏の動物を絞るという目的で言えば、2cmを超えない粒が落ちているならネズミと考えることができます。
このうち、屋根裏で問題になりやすいのはクマネズミです。
葛飾区はクマネズミの生息場所として、ビル内部の高い場所、壁の中、天井裏を挙げています。
荒川区も、クマネズミは屋内では天井裏など比較的高いところで活動するとしています。
3種の見分け方は、別記事で詳しくまとめてました。

コウモリの糞
川越市が手がかりとして挙げているのは、家の周りに落ちている糞です。
黒い色で、細長い形。
大きさは5mm程度。
これがまとまって落ちていて、屋根裏から出入りしている様子もあれば、コウモリが棲みついている可能性が高いです。
ここで大事なのは、量も確認するという点です。
1粒2粒を見つけただけでは住み着いているという判断材料になりません。
家のまわりの一定の場所に、まとまって落ちているかどうか。
そこを見てください。
大きさも、5mm程という数値が示されています。
ネズミの糞と大きさは重なるところがありますが、コウモリの糞は家の周りに落ちています。
屋根裏の中ではなく、外に出て確認してみてください。
糞の記述がない動物
イタチ、ハクビシン、アライグマについても、糞の大きさや見分け方を示した資料を探してみました。
しかし、公的機関(自治体)の資料では見つけることができませんでした。
ただ、害獣駆除業者のサイトには掲載されているところもあるので、興味があれば確認してみてください。
害獣それぞれの特徴
ここまでは、手がかりから見てきました。
今度はそれぞれの動物の特徴を整理します。
自分の家の状況と照らし合わせてみてください。
ネズミ
家のなかで問題になるネズミは、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種です。
このうち屋根裏で活動するネズミの多くはクマネズミです。

クマネズミの生息場所はビル内部の高い場所、壁の中、天井裏です。
運動能力が高く、壁や電柱を簡単によじ登って家の中へ入ってきます。
荒川区の資料によると、クマネズミは垂直行動が得意で、パイプや電線を伝わることができるそうです。
屋根裏という高い場所にいること自体が、クマネズミの特徴と一致します。
上で書いた通り、クマネズミは約1.5cm位のわずかな隙間からでも侵入できます。
警戒心も強いので非常に厄介な相手です。
一方、ドブネズミの生息場所として挙げられているのは、植え込み、下水溝、下水管、公園の地面、ビルの低層階です。

クマネズミとは逆に、低い位置が生活圏です。
3種のうちどれなのかを詳しく絞りたい方は、こちらをご覧ください。

イタチ
堺市の資料が、イタチについてまとまった説明をしています。

まず体の能力です。
わずか直径3cm足らずの隙間をすり抜けることができ、穴掘りもする。
垂直の壁でも平気で登り、泳ぎも上手。
これだけの条件が揃うと、家のどこから入ってきたのかを1か所に決めるのは難しくなります。
住みつく場所についても書かれています。
石垣の隙間や床下などをすみかとするが、最近は天井裏にすみつくことが多くなったそうです。
断熱材をほぐして巣を作り、子育てするケースが増えている、とも書かれています。
屋根裏に断熱材が入っている家で、それがほぐされたような状態になっているなら、イタチが候補に入ります。
繁殖についても数値があります。
繁殖期は4月頃から8月頃で、年1回5〜6頭を出産する。
親1頭だけでなく、複数の個体が屋根裏にいる時期があるということです。
堺市は、よくある苦情として次の3つを挙げています。
- 天井裏を走り回ってうるさくて眠られない
- 天井裏で子育てをしてふんや尿の臭いがひどい
- 台所や店の中へ侵入し、食器や商品を荒らす
3つ目に注目してください。
屋根裏だけでなく、台所や店の中にも入ってくるという内容です。
屋根裏の音と、台所での被害が同時に起きているなら、手がかりになります。
食べ物についても注目すべきポイントがあります。
イタチはネズミ、鳥、カエル、魚類、果実類などを好んで食べるんです。
イタチにとって、ネズミのいる家は餌のある家でもあるということになります。
何種類もの害獣に住み着かれては、たまったものじゃありません!
ハクビシン・アライグマ
練馬区は、この2種を並べて説明しています。

| ハクビシン | アライグマ | |
|---|---|---|
| 食性 | 雑食性 | 雑食性 |
| 得意なこと | 高い所が得意。雨どいや電柱も上手に上り、電線を渡ることもできる | 木登りが上手で、手先がとても器用 |
| 活動時間 | 記載なし | 昼間も活動するが、主に夜間 |
| 入れる隙間 | 8cm四方、円なら直径10cm程度 | 記載なし |
被害の内容については、2種まとめて書かれています。
家屋への侵入(主に天井裏や屋根裏)と、侵入に伴う建物の破損や汚損です。
ハクビシンについては、屋根から天井裏に侵入することがある、という記述もあります。
ハクビシンの「高い所が得意」という特徴は、屋根裏の話と直結しますね。
雨どいや電柱を上り、電線を渡る。
地上を歩いて家に近づくとはかぎらない、ということです。
家のまわりに電線や樹木があって、それが屋根に近い位置を通っているなら、経路として考えられます。
アライグマについては、活動時間の記述があるのが特徴です。
夜行性だと思われていますが、実は昼間も活動します。
昼間に行動しているからアライグマではない、と判断するのは避けましょう。
コウモリ
コウモリについては、川越市と朝倉市の資料があります。
朝倉市によれば、日本には約35種のコウモリが生息しており、日本でよく見られる種類は「アブラコウモリ」と言われる種類です。
口や鼻から超音波を出し、夜に飛ぶ昆虫を食糧にしています。
川越市は、コウモリは蚊やハエなどの害虫をエサとしているため益獣としても考えられているが、フン等により家屋を汚損する等の生活被害をもたらすことがある、としています。
手がかりは、上でも書いた糞です。
家の周りに、5mm程度の黒い細長い粒がまとまって落ちていないか。
そして、屋根裏あたりから出入りしている様子がないか。
この2つが揃うなら、川越市の説明する条件に当てはまります。
なお、コウモリの扱いには、他の動物と大きく違う点があります。
次の項で説明します。
動物によって、自分でやれる範囲が変わる
ここがこの記事のいちばん大事な部分です。
屋根裏の動物を絞る意味は、単に正体が気になるからではありません。
動物によって、自分で手を出していい範囲がまったく違うからです。
| 動物 | 扱いについて資料が書いていること |
|---|---|
| ネズミ(ドブ・クマ・ハツカ) | 鳥獣保護管理法の適用除外にあたる3種。自分で対処できる |
| イタチ | 許可を取らずに捕まえることはできない。捕獲には鳥獣保護管理法に基づく許可が必要(堺市) |
| コウモリ | 鳥獣保護管理法で保護されており、原則として捕獲・殺傷は禁止。1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる(朝倉市) |
| ハクビシン・アライグマ | 練馬区は東京都の防除実施計画に参加しており、生活被害を受けた場合に無料で業者による現場調査やわなの設置を行っている |
出典:堺市「イタチでお困りの方へ」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」/練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」
上から順に見ていきます。
家に出る3種のネズミは、鳥獣保護管理法の適用を受けない扱いになっています。
そのため、市販品を使って自分で対処して問題ありません。
イタチは違います。
堺市は、困るからと言って許可を取らずにイタチを捕まえることはできない、と明記しています。
捕獲する場合は鳥獣保護管理法に基づく許可が必要です。
コウモリはさらに厳しくなります。
朝倉市は、原則として捕獲・殺傷は禁止されており、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられると書いています。
ハクビシンとアライグマについては、練馬区が制度を用意しています。
区は東京都の防除実施計画に参加しており、アライグマ・ハクビシンによる生活被害を受けた場合に、無料で業者による現場調査やわなの設置を行っています。
これは練馬区の制度であって、どの自治体でも同じ対応が受けられるという意味ではありません。
ただ、自治体に相談すると動いてもらえる場合があるということは、知っておいて損はないと思います。
この2種が候補に残ったら、お住まいの自治体の案内を確認してみてください。
家に出る動物が鳥獣保護法でどう扱われているかは、こちらで動物ごとにまとめています。

ネズミだった場合
絞り込んだ結果、ネズミの可能性が高いと分かった方へ。
判断の目安をもう一度まとめます。
- 見つかった穴が2cm前後で、それより大きい開口部がない
- 落ちている糞が2cmを超えない
- 音や気配が天井裏など高い場所に集中している
この条件が揃うなら、クマネズミが有力な候補になります。
葛飾区・荒川区の資料が示すクマネズミの特徴と一致するからです。
ここから先の対処については、別の記事にまとめてあります。
まず全体像を知りたい方は、こちらから読んでください。

3種のうちどれなのかをもう少し詰めたい方は、見分け方の記事があります。

どこから入ってきたのかを特定したい方は、侵入経路の記事をご覧ください。

よくある質問
Q. 足音の種類で動物を見分けられますか?
この記事で参照している自治体の資料には、足音や物音の種類から動物を判別するという記述がありません。
鳴き声についても同じです。
音は「何かがいる」という手がかりにはなりますが、種類までは決められないと考えてください。
Q. 屋根裏に上がって確認したほうがいいですか?
できれば屋根裏に上がって調査するのが確実です。
ただし、決して無理はしないようにしてください。
まずは侵入経路を探すとか、家の周りに糞が落ちていないか確認するのが先です。
屋根裏に上がらずに判定できたら楽ですからね。
Q. 糞が見つかりません。それでも絞れますか?
隙間の大きさから絞る方法が残っています。
家の外を一周して、開いている穴や隙間の大きさを測ってみてください。
2cm前後の穴しか見つからないなら、練馬区が8cm四方を挙げているハクビシンは、可能性が下がります。
Q. コウモリらしいと分かりました。どうすればいいですか?
朝倉市は、コウモリの捕獲・殺傷は原則として禁止されており、罰則があると説明しています。
つかまえる方向で動く前に、お住まいの自治体の案内を確認してください。
まとめ
屋根裏に入る動物は、ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマ、コウモリと複数います。
種類を判定しやすいのは、入ってこられる隙間の大きさと、落ちている糞です。
穴が2cm前後ならネズミの範囲、3cm足らずならイタチも候補、8cm四方くらいの開口部があるならハクビシンも候補に入ります。
絞り込めれば次の対策を考えることができます。
ネズミなら自分で動けますが、イタチは捕獲に許可が必要で、コウモリは原則として捕獲・殺傷が禁止されています。
ネズミの可能性が高いと分かった方は、こちらの記事も確認してみてください。


