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屋根裏の動物にバルサンは使える?自治体の資料と使う前の注意

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屋根裏で音がする。

ホームセンターで売られているくん煙殺虫剤を焚けば、出ていってくれるのではないか。

 

そう考えて調べ始めた方は多いと思います。

実際、この方法は自治体の資料にも出てきます。

 

ただ、資料の書き方を読んでいくと、この製品はもともと動物を追い出すために作られたものではないということが見えてきます。

そして、使う前に知っておいたほうがいい注意が、はっきり書かれています。

調査して分かったことをご紹介していきます。

 

追い出す方法全体の流れは、こちらにまとめてあります。

屋根裏の動物を追い出す方法|資料が示す順番と侵入口のふさぎ方
屋根裏の動物を追い出す方法は、におい・煙・光の3つ。追い出して、いない間に侵入口をふさぐまでの順番を、公的資料に書かれていることだけで整理しました。

 

自治体の資料にも、くん煙剤は出てくる

まず結論から。

屋根裏の動物対策として煙を使う方法は、複数の自治体が資料に載せています。

 

大阪府はイタチについて、小平市はハクビシンについて、それぞれ触れています。

 

ただし、どちらも「害獣用の製品」として紹介しているわけではありません。

 

大阪府の公式サイトには、ダニやゴキブリ用の燻煙剤について、家庭のノミ、ダニ、ゴキブリを除去できるとともに、副次的な作用として煙を嫌がりイタチが出てきます、と記載されています。

 

あくまで副次的な効果、とのことです。

動物を追い出すために設計された道具ではない、という前提を持っておくと、このあとの注意書きの意味も分かりやすくなります。

 

もともとは何のための製品か

大阪府が挙げているのは「ダニやゴキブリ用の燻煙剤」です。

対象はあくまで家庭の虫で、ノミ、ダニ、ゴキブリの名前が並んでいます。

 

一方、小平市はもう少し踏み込んだ書き方をしています。

ハクビシンは石油系の臭いが苦手なため、くん煙殺虫剤(バルサン等 ホームセンターなどで購入できます)をまいて追い出す方法もあります、というのが原文です。

 

以降、この記事では製品の区分名である「くん煙殺虫剤」「燻煙剤」で通します。

 

ここで押さえておきたいのは、小平市が理由として挙げているのが石油系の臭いだという点です。

煙そのものというより、においを嫌がる、ということのようです。

 

大阪府のイタチは「煙を嫌がり」、小平市のハクビシンは「石油系の臭いが苦手」。

同じ製品でも、資料が挙げている理由は少し違います。

 

もうひとつ、大阪府は区分について注意書きをしています。

燻煙剤には医薬品に指定されているものがあり、医薬品の使用にあたっては使用上の注意等をよく読んでほしい、という内容です。

出典:大阪府「イタチでお困りの方へ」小平市「ハクビシンとアライグマについて」東京都健康安全研究センター「医薬部外品の表示について」

 

使う前に知っておくこと

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

 

火災警報器

小平市は、くん煙殺虫剤の使い方を案内したうえで、括弧書きでこう付け加えています。

 

火災警報器が作動し、止めようとして事故にあうケースが報告されています。

 

煙を出す製品ですから、煙感知式の警報器が反応するのは当然といえば当然です。

どんな事故だったのかまでは書かれていませんが、煙が立ちこめている中で、鳴り出した警報器を止めようとすると。。。

その状況に危険があることは、想像がつきます。

 

くん煙剤を作るメーカーが集まってつくる日本家庭用殺虫剤工業会も、煙を感知するタイプの住宅用火災警報器は作動するものとして扱っていて、使う前にカバーをかけるなどの注意を呼びかけています。

 

使う前に警報器の位置を確かめて、鳴らないように対処しておく。

そして、鳴っても慌てて動かない。

 

動物を追い出すはずが自分が怪我をしたのでは、本末転倒です。

 

説明書を読む

小平市も大阪府も、そろって同じことを書いています。

小平市は「説明書をよく読み、正しく使用してください」と書いており、大阪府は、医薬品に指定されているものがあるので「使用上の注意等をよく読んでご使用ください」と書いています。

 

なお、発熱のさせ方には方式の違いがあります。

工業会の説明では、付属の板でこすって始動させるものと、容器に決められた量の水を入れて発熱させるものに分かれるとのことです。

 

同じ「煙が出る製品」でも、手元でやることが変わります。

箱を開ける前に、どちらの方式かを確認しておいてください。

 

使う前の準備についても、工業会が案内を出しています。

部屋と換気口は閉め切る一方で、戸棚や引き出し、押し入れといった虫の潜んでいそうな場所は開けておく、という説明です。

食べ物や食器、おもちゃの類には煙が直接当たらないよう、しまうかカバーをかけるようにとも書かれています。

 

もともと室内の虫を想定した準備なので、そのまま天井裏に当てはまるわけではありません。

それでも、煙が家の中に回るという特徴自体は変わりません。

 

使う場所の広さ

製品の表示には、1個あたりの使用面積が書かれています。

畳数と平方メートルの両方で示されているのが一般的です。

 

家の間取りから、天井裏がおおよそ何畳ぶんにあたるのか、見当をつけておく。

表示より明らかに広い空間に1個だけ、という使い方をしていないかどうか。

そこは買う前にしっかり確かめましょう。

 

もうひとつ、表示の面積は部屋を閉め切った状態を前提にしています。

工業会の準備の説明も、部屋と換気口を閉め切ったところから始まっていました。

 

天井裏でその条件をどこまで作れるかは、家の造りによります。

軒下の通気口や換気扇の位置を、一度見ておくといいと思います。

 

煙で追い出したあとにすること

煙が効果を発揮して、住み着いている動物を追い出したとして、そこで終わりではありません。

それで終わってはいけないんです。

出入口が開いたままなら、戻ってきます。

 

つくばみらい市の公式サイトによると、侵入口や住み着いている場所をふさぐのは、その動物がそこにいないとき、あるいは追い払ったあとにすること、とのことです。

高いところでの作業は危険なので、専門の業者に頼むことも検討するように、という案内も添えられています。

 

追い出した効果が無駄にならないように、ぜひ侵入口を見つけてフタをしてください!

 

ふさぐ材料と、どのくらいの隙間からふさぐのかについては、追い出す方法をまとめた記事で扱っています。

屋根裏の動物を追い出す方法|資料が示す順番と侵入口のふさぎ方
屋根裏の動物を追い出す方法は、におい・煙・光の3つ。追い出して、いない間に侵入口をふさぐまでの順番を、公的資料に書かれていることだけで整理しました。

 

なお、隙間の大きさの目安として、堺市によるとイタチはわずか直径3センチメートル足らずの隙間をすり抜けることができます。

また、穴掘りもするとのことです。

練馬区によると、ハクビシンは直方形であれば8センチ四方、円であれば直径10センチ程度の小さなすき間であればくぐり抜けられるそうです。

 

思っているより、ずっと小さな穴が出入口になります。

 

ついでに、なぜ天井裏なのかという話も。

堺市によると、イタチは石垣の隙間や床下などをすみかとしてきましたが、最近は天井裏にすみつくことが多くなり、断熱材をほぐして巣を作るケースが増えているとのことです。

 

煙で一度出ていっても、一度住み着いた場所は巣として使いやすい場所であることは変わりません。

だからこそ、ふさぐ作業までが一続きになります。

出典:つくばみらい市「コウモリを見かけたら」堺市「イタチでお困りの方へ」練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」

 

動物別に何が書かれているか

くん煙剤について、資料がどの動物に触れているかを並べます。

 

動物 くん煙剤についての記述 出典
イタチ 副次的な作用として煙を嫌がり出てくる 大阪府
ハクビシン 石油系の臭いが苦手。まいて追い出す方法もある 小平市
アライグマ 記述なし
コウモリ 記述なし(挙げられているのは忌避剤)
ネズミ 記述なし(駆除方法は環境的防除・捕獲器具・薬剤) 葛飾区・荒川区

 

つまり、屋根裏にいるのがどの動物なのか、ということによって資料があったりなかったり、効果が期待できたりできなかったりします。

まだ絞れていない場合は、先にこちらをご覧ください。

屋根裏で音がする動物の正体|隙間の大きさと糞から絞る
屋根裏の動物を、足音ではなく穴の大きさと糞から絞ります。ネズミ・イタチ・ハクビシン・アライグマ・コウモリの5種について、公的資料に書かれていることだけを整理しました。

 

音のする時間帯、糞の形、通り道の隙間の大きさ。

このあたりから、ある程度は見当がつきます。

 

出ていかないとき

煙を使っても、音が止まらないことはあります。

 

大阪府は、追い出しなどの被害防止対策を実施したが被害がなくならない場合等は、やむをえず捕獲が必要となることがある、と記載しています。

そしてイタチを捕獲するには、市町村長の捕獲許可が必要で、住んでいる市町村の窓口に相談するように、と続きます。

 

ここが線引きです。

 

追い出しは自分でできても、捕獲は許可が要る段階になります。

自分だけで先へ進める話ではなくなる、ということですね。

 

自治体への相談と、業者に頼む判断については、追い出す方法をまとめた記事で扱っています。

屋根裏の動物を追い出す方法|資料が示す順番と侵入口のふさぎ方
屋根裏の動物を追い出す方法は、におい・煙・光の3つ。追い出して、いない間に侵入口をふさぐまでの順番を、公的資料に書かれていることだけで整理しました。

 

よくある質問

Q. ネズミにも使えますか?

ネズミの駆除方法として、くん煙剤を挙げている資料は見当たりませんでした。

荒川区の公式サイトでは、ネズミの駆除には環境的防除、捕獲器具による駆除、薬剤による駆除の3つの方法があり、ネズミ対策の基本は環境的防除ですと記載しています。

葛飾区も、隙間や穴をかじられにくい材料でふさぐという方向で案内しています。

道具の選び方はこちらにまとめました。

ネズミ対策グッズの選び方|環境・捕獲・薬剤の3つで考える
ネズミ駆除グッズについてご紹介します。ただし駆除グッズを買う前に大事なことがあります。それは環境を整えること。その方法や駆除グッズの種類や解説をしていきます。

 

Q. コウモリやアライグマにも効きますか?

つくばみらい市がコウモリについて挙げているのは忌避剤で、くん煙剤ではありません。

練馬区のアライグマの案内にも、くん煙剤の記述はありませんでした。

 

Q. いちばん気をつけることは何ですか?

火災警報器です。

小平市は、警報器が作動し、止めようとして事故にあうケースが報告されていると書いています。

十分お気をつけください。

 

Q. 何個必要ですか。どのくらい置いておけばいいですか?

製品ごとに違うため、箱の表示に従ってください。

 

Q. 煙を焚けば、それだけで解決しますか?

出ていったあと、出入口が開いたままなら戻ってきます。

つくばみらい市は、追い払ったらふさぐ、と書いています。

煙は最初の一手であって、そのあとに侵入口をふさぐ作業が残ります。

出典:荒川区「ネズミの上手な退治法」葛飾区「ねずみ駆除の手引き」

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