庭の土や畑のまわりに、指の跡のようなものが点々と残っていた。
育てていたトウモロコシやスイカが、いつの間にかかじられていた。
もしかしてアライグマ?と気になって、調べ始めているかもしれません。
ここでは、足跡、爪痕、食べ跡、そしてアライグマが何を食べるのかを、環境省や自治体の資料で順に見ていきます。
アライグマの足跡
足跡の形については、環境省の「アライグマ防除の手引き」の見分け方の一覧に、次の一文があります。
「足跡は5本の指がはっきりわかれ、人の手に似る」
一覧には前足と後足の足跡の図も添えられていて、図は農林水産省のマニュアルから引用したものとされています。

中野区のよくある質問でも、アライグマの足跡は前足・後足のどちらも5本の指がはっきり分かれているとされています。
あわせて、かかとまで地面につけて歩くことも特徴として挙げられています。
足跡のほかに、爪痕や食べ跡もあわせて見ていくと、手がかりが増えます。
足跡が残りやすい場所についても、手引きに記述があります。
手引きは、自治体がアライグマの生息を確かめるときの手がかりとして、農村部では「畝間、ビニールマルチ、ため池周辺や側溝における足跡等」を挙げています。
タヌキやハクビシンの足跡との見分け方は、アライグマとタヌキ・ハクビシンの違いをまとめた記事を見てみてください!

ハクビシンの足跡の特徴は、ハクビシンについての記事で確認してみてください。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/中野区「近所でハクビシンやアライグマを見つけましたが、どうしたらいいですか?」
爪痕は5本
爪痕については、手引きに写真が載っています。
手引きは、生息を確かめる手がかりとして足跡や爪痕などの写真を並べています。
同じページの表では、「共通」の欄に「足跡、爪痕、小動物にみられる食痕」と書かれています。
板橋区は、アライグマの習性として「手が器用で木登りが得意ですが、爪を使うため爪痕が残ります。」と記載しています。
中野区も同じように、爪が長いので木にひっかき傷が残るとしています。
世田谷区も、前足にも後ろ足にも5本の指があり、その指に鋭い爪があると紹介しています。
手引きで爪痕の写真に付けられた説明は「5本あることが特徴的」です。
木の幹や柱に引っかいたような筋を見つけたら、何本並んでいるかも数えてみてください。
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/板橋区「アライグマ(特定外来生物)の被害について」/中野区「近所でハクビシンやアライグマを見つけましたが、どうしたらいいですか?」/世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」
食べ跡 スイカ・トウモロコシ
畑や家庭菜園の食べ跡について、手引きは農林水産業被害の説明の中で次のように書いています。
「指が長く器用な前肢を持つため、スイカなどの皮に小さな穴を開けて液果だけをすくいだす、トウモロコシの皮をむくなど、アライグマに特徴的な加害形態もあり、被害を見分けるポイントとなります」
同じ手引きの自治体向けの表でも、農村部の手がかりとして「スイカをくりぬく、トウモロコシの皮をむくなど、アライグマに特徴的な加害形態。」と書かれています。
どんな作物が狙われやすいかについては、手引きに次の一文があります。
「雑食性のため、加害対象は多様ですが、特にトウモロコシ、メロン、スイカ、イチゴなどの野菜・果樹、家畜飼料などの被害が深刻です。」
東京都環境局も、アライグマとハクビシンによる農作物の深刻な被害を挙げていて、果樹や野菜、イモ類、マメ類などが中心だとしています。
東京都環境局のページには、アライグマによるブドウ・スイカ・トウモロコシの被害の写真が載っています。
手元の食べ跡と比べたいときに開いてみてください。
庭での被害は、船橋市のページにまとまっています。
船橋市は、アライグマが関係する被害として、敷地内の柿やブドウなどの果実や、ペットのえさが食べられることを挙げています。
同じ一覧には「屋外で飼育していたペット(鳥類、爬虫類や魚類)を食べられた。」という項目もあります。
水辺の食べ跡にも、手引きは触れています。
ザリガニの食痕の写真に付けられた説明によると「頭部が残されていることが多い」とのことです。
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」/船橋市「【特定外来生物】アライグマにご注意ください」
アライグマは何を食べる?
アライグマの食べ物について、手引きは「食性の幅が広い」という欄で次のように説明しています。
「雑食性。環境の状況に柔軟に対応して様々な餌を食べる傾向がある。」
「果実、木の実、柔らかく養分の多い茎や地下茎、野菜、穀類のほか、小型哺乳類、鳥類(主に雛と卵)、爬虫類、両生類、魚類、昆虫や甲殻類などを好む。」
東京都環境局も、アライグマを雑食性とし、果実や野菜といった植物から、小型の哺乳類や鳥類、魚類、昆虫類といった動物まで幅広く食べると紹介しています。
世田谷区も同じように、果実や木の実、野菜、穀物から、小動物、鳥のヒナや卵、魚類などまで食べるとしています。
少なくとも今回参照した資料には、好物を1つに絞った記述は見つかりませんでした。
多くの資料で何でも食べると書かれているので、餌となる作物があるなら、すべての作物で対策が必要だと考えられます。
庭の果実や生ごみなど、エサになるものを残さない工夫は、こちらの記事でまとめています。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」/世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」
痕跡を見つけたら
神奈川県は「アライグマやその痕跡(爪あと、足あとなど)を見つけたときは、次の対策を行ってください。」と案内しています。
挙げられている対策は、次の3つです。
- エサになるものを取り除く、減らす
- 家屋や畑に入られないようにする
- 捕獲をする
捕獲は市町村が中心になって進めているので、相談先はお住まいの市町村になるとのことです。
寄せつけない工夫や、追い出してからふさぐまでの流れ、区や市の捕獲事業は、こちらの記事で整理しています。

アライグマを見かけたときの連絡先は、こちらにまとめています。

板橋区は、注意事項の中で、自己負担を判断したうえで自分で専門業者に頼むよう案内している内容を挙げています。
その中には、進入路をふさぐ施工や、ふん尿の撤去・清掃・消毒、「動物がアライグマか分からない場合」が入っています。
害獣プロガードの対応エリアや受付、依頼の流れは、こちらにまとめています。



