見かけた動物が、アライグマだったのか、タヌキだったのか、はっきりしない。
写真を撮ってはみたものの、どこを見比べればいいのか分からない、ということもあると思います。
そもそもアライグマがどんな動物なのか、気になっているかもしれません。
ここでは、環境省や東京都、区や市の資料を開きながら、アライグマとタヌキ、ハクビシンの違いを確かめていきます。
アライグマと見間違えやすい動物
アライグマと見間違えやすい動物について、環境省の「アライグマ防除の手引き」は次のように書いています。
「野外でアライグマと誤認しやすい日本の動物としては、タヌキ、アナグマ、ハクビシンがあります。」
東京都環境局のページも、見間違いについて触れています。
「アライグマ・ハクビシンは、在来種のタヌキやアナグマと顔の特徴が似ているため、見間違えられることがよくありますが、全身の特徴を理解すると区別することが可能です。」
顔が似ていても、全身の特徴を見れば区別できます!
ここからは、顔だけでなく、体の色や足、しっぽ、歩き方まで順に見ていきます。
ハクビシンを中心に見比べたいなら、こちらのハクビシンの側から見分け方をまとめた記事を開いてみてください。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」
アライグマは何科?分類と名前
まずは分類から見ていきます。
環境省のサイトを見てみましょう。
「食肉目アライグマ科アライグマ属(Procyon属)には6種いますが、そのうち2014(平成26)年3月現在、我が国で外来生物法に基づく特定外来生物に指定されているのはアライグマ(Procyon lotor)とカニクイアライグマ(Procyon cancrivorus)の2種です。」
アライグマの分類は「食肉目(ネコ目)アライグマ科」、学名を「Procyon lotor」です。
英語名は「Raccoon」です。
学名や英語名はなかなか馴染みがないのではないでしょうか?
見間違えやすい動物のほうはどうでしょうか。
武蔵野市の資料によると
- タヌキ イヌ科タヌキ属
- ハクビシン ジャコウネコ科ハクビシン属
- アナグマ イタチ科アナグマ属
です。
パッと見たところ似ている4種の動物ですが、4種とも「科」から違うんです!
これを知ったときはとても驚きました。
アライグマがどうして日本にいるのか、こちらの記事でまとめました。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」/板橋区「アライグマ(特定外来生物)の被害について」/武蔵野市「ハクビシン、アライグマの見分け方」
アライグマとタヌキの違い
アライグマとタヌキの違いをご紹介します。
環境省の手引きには、アライグマ・タヌキ・アナグマ・ハクビシンの特徴を並べた一覧があります。
その一覧から、アライグマとタヌキの項目を見比べていきます。
目のまわり・ヒゲ・耳
手引きの一覧では、アライグマの顔まわりについて「眉間に黒い筋、目の周りのマスク模様は大きい」「ヒゲは白く目立つ」「耳は大きく白い縁取り」とされています。
タヌキは「ヒゲは黒く目立たない」「耳は丸い」です。
板橋区も、アライグマについて「目のまわりが黒いマスク模様になっているのが特徴です。」と紹介しています。
ヒゲが白く目立つか、耳に白い縁取りがあるかは、顔を見たときの手がかりになりそうです。
体の色と足の色
体と足の色も、一覧で書き分けられています。
アライグマは「全体的に白っぽい」「足は白い部分が多い」、タヌキは「全体的に茶色っぽい」「足はほぼ全体が黒い」です。
ただ、体の色には個体差があります。
手引きは、アライグマの体色を「灰白色の場合が多いが、個体変異があり、ほとんど黒色のものもいる。目のまわりから頬にかけて黒いマスク様の模様がある。」と説明しています。
世田谷区も、体毛の大部分は灰白色から明るい茶褐色で、ほとんどの毛が黒い場合もあるとしています。
茶色っぽく見えたからといって、色だけでアライグマではないと決めることはできないようですね。
しっぽ
アライグマのしっぽについて、手引きは「長く密にふさふさとした毛が生えており、4~7条の黒いリングが特徴的。」と書いています。
千葉県の資料によると、タヌキの尾にはシマ模様がないとのこと。
しまの本数は資料によって書き方が違うので、このあと別のセクションで再度ご紹介します。
歩き方と足跡
手引きの一覧では、歩き方にも違いがあります。
アライグマは「踵まで地面に付けて歩く」、タヌキは「つま先だけ地面に付けて歩き、花模様に似た足跡」です。
指の数は、千葉県の資料ではアライグマが5本、タヌキが4本です。
足跡の形は、こちらの記事でまとめました。

手引きの一覧は、顔まわり、体と足の色、しっぽ、歩き方と、いくつもの項目でアライグマとタヌキを書き分けています。
見えた特徴を1つだけで判断せず、いくつか合わせて照らしてみてください。
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/板橋区「アライグマ(特定外来生物)の被害について」/世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」/千葉県自然保護課「アライグマ・ハクビシン・タヌキ・アナグマを見分けるポイント」(船橋市のサイトに掲載)
アライグマとハクビシンの違い
ハクビシンとの違いも、手引きの一覧から見ておきます。
一覧では、ハクビシンについて「顔の中央に白い線がある」「尾は長く、縞模様は無い」「足は黒っぽい部分が多い」とされています。
顔の真ん中の白い線、しまのない尾、黒っぽい足という点が、アライグマと違っているポイントです。
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)
しっぽのしま模様は、資料で本数の書き方が違う
アライグマのしっぽのしまを数えようとすると、資料によって書き方が少しずつ違います。
今回見た資料の書き方を並べると、次のとおりです。
- 環境省の手引き:「4~7条」の黒いリング
- 板橋区:尾に「5から7本」の縞模様
- 中野区:尾のしまは5本~7本
- 船橋市:「尾に5から10本の縞々模様があります。」
- 世田谷区:5~7条の、黄色と黒のリング状のしま模様
しまの本数は、資料によって書き方に幅があります。
しまの数が色々であっても、尾にしまがあればアライグマではないか?と予測を立てることはできそうです。
少なくとも、先ほどの手引きで「縞模様は無い」と書かれていたハクビシンとは見分けが付きますね!
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/板橋区「アライグマ(特定外来生物)の被害について」/中野区「ハクビシン・アライグマによる被害が続いたら」/船橋市「【特定外来生物】アライグマにご注意ください」/世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」
前足と手を洗うようなしぐさ
アライグマの前足について、手引きには「前肢の指は長く、物を掴むことができる。」とあります。
東京都環境局も、生活の欄に「前足が器用で触覚にも優れる」と記載しています。
手を洗うように見えるしぐさについては、世田谷区が説明しています。
世田谷区によると、アライグマは視力が弱く、両方の前足を水の中に入れて獲物を探ります。
そのしぐさが、手を洗っているように見えるとのことです。
出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」/世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」
タヌキ・ハクビシンだった場合
見かけたのがタヌキだった場合は、区や市の対応が変わることがあります。
手引きの一覧では、タヌキは「沖縄県を除くほぼ全国に分布」とされています。
板橋区の捕獲駆除の事業では、「ハクビシン・アライグマ以外の動物の場合」は対象外です。
船橋市のワナの貸し出しでも、タヌキや猫など対象外の動物が捕まったときは、駆除できないので、その場で放すと案内しています。
区や市ごとの違いは、先ほど紹介したハクビシンの記事でも確かめられます。
タヌキが法律でどう扱われているかは、鳥獣保護法の記事にまとめています。

ハクビシンだったときの対応は、ハクビシンについての記事で確かめてみてください。

アライグマだったときに、近づかない理由や連絡先を確かめたい場合はこちらです。

家の被害への対策や、区や市・業者への相談の仕方は、こちらの記事で整理しています。

出典:環境省「アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)」(平成26年3月改訂)/板橋区「アライグマ(特定外来生物)の被害について」/船橋市「アライグマ・ハクビシンの捕獲用ワナの貸し出しについて(外来種対策)」

