夕方になると、家のまわりを何かがひらひらと飛んでいる。
軒下を見上げると、地面に黒っぽいフンが落ちている。
天井のほうから、かすかな物音がする。
コウモリの対策や駆除について解説していきます!
この記事では、法律・時期・やり方の順に見ていきます。
読み進めるうちに、「駆除」という言葉のイメージが、少し変わってくるかもしれません。
コウモリは「駆除」ではなく追い出す
結論から言うと、コウモリを許可なく「駆除」することはできません。
八千代市の公式サイトには、「ハトやコウモリ等は「鳥獣保護管理法」により保護されており、許可なく駆除や巣の除去が出来ません。」とあります。
朝倉市も、市では捕獲・駆除を行っておらず、糞や羽音で困っている場合はコウモリを追い出して侵入口をふさぐよう案内していますね。
北九州市の公式サイトによると、棲み付かれる前、または追い出した後に侵入口をふさぐという流れが紹介されています。
つまり、自分でできる「コウモリ駆除」作業の中身は、追い出してから侵入口をふさぐことです。
「駆除」という言葉から想像するものとは、だいぶ違いますね。
出典:北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/八千代市「ハトやコウモリが家に巣を作り困っています。」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」
捕獲も殺傷もできない(法律)
環境省は、鳥獣保護管理法における「鳥獣」を「鳥類又は哺乳類に属する野生動物」と定義しています。
朝倉市の公式サイトでも、哺乳類であるコウモリにこの法律が適用される、と説明されています。
つくばみらい市の公式サイトでも、野生のコウモリは法律で捕獲・殺傷が禁止されていると案内されています。
では、捕獲する方法が一切ないのかというと、そうでもありません。
北九州市の公式サイトでは、専門業者に依頼して捕獲する方法もあり、その場合は福岡県の許可が必要になると案内されています。
環境省によると、被害が生じている場合などには、環境大臣または都道府県知事の許可を受けて捕獲等をすることが認められています。
多くの都道府県では、その許可権限の一部を市町村長に移譲しているとのことです。
環境省によると、狩猟の対象は狩猟鳥獣46種に限られていて、その一覧にコウモリは入っていません。
狩猟という形でコウモリを捕まえることも、できないということです。
法律のより詳しい骨組みについては、こちらでまとめています。

出典:つくばみらい市「コウモリを見かけたら」/北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」/環境省「鳥獣保護管理法の概要」/環境省「捕獲許可制度の概要」/環境省「狩猟制度の概要」
いつやるかで難しさが変わる
北九州市の公式サイトでは、「冬眠時期及び夏の出産時期は追い出しが難しいため、それ以外の時期に対策を行う方が効果的です」と案内されています。
鈴鹿市も、コウモリは夜行性でねぐらから飛び出していく時間が日没前後にあるので、出入り口を確認したうえで、戻ってくるまでに穴をふさぐとよいと案内しています。
子育てが一段落する9月ごろに行うと効果的、とも書かれています。
冬眠中や出産期を避けたうえで、日没から戻ってくるまでの短い時間で作業する。
時期と時間、両方の条件がそろって初めてやりやすくなる作業です。
コウモリが戻ってくる前の見極め方や進め方は、別の記事でまとめる予定です。

出典:北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/鈴鹿市「よくある質問 ベランダに鳥が巣を作り、困っています」
追い出しに使われているもの
北九州市の公式サイトでは、煙の出るタイプの市販の害虫駆除剤を屋根裏に置く方法が紹介されています。
ナフタリンなどの忌避剤を置いたり、ライトアップをするなどして棲み心地を悪くする方法も挙げられています。
朝倉市も、市販の忌避剤や蚊取り線香の煙、強い光で誘導して外に追い出す方法を挙げているとのことです。
このほか朝倉市では、超音波発生装置やラジオの音、侵入口へのCDやアルミ箔の設置も挙げられているとのことです。
ただし、どの方法がいちばん効くのかを比べた記述は、今回参照した資料にはありません。
どれを選ぶかは、作業する場所で決まってきそうです。
グッズの選び方や、超音波についてもう少し詳しい話は、こちらの記事でまとめています。

出典:北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」
追い出した後にふさぐ
北九州市の公式サイトでは、軒下にいる場合、コウモリがいないとき、または追い払ってから、その場所にネットをして侵入を防ぐ方法が案内されています。
鈴鹿市も、出入り口を確認したあと、戻ってくるまでに穴をふさぐという手順を挙げています。
つくばみらい市の公式サイトによると、換気口や通気口の外蓋に破損や隙間がないか確認し、金網や目の細かい防鳥ネットで覆ったり、パテやシーリング材で隙間をふさいだりする方法が案内されています。
どこから出入りしていたのかを確認してからふさぐという順番は、どの資料でも共通しています。
侵入口のふさぎ方は、別の記事でもう少し詳しくまとめる予定です。

出典:北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」/鈴鹿市「よくある質問 ベランダに鳥が巣を作り、困っています」/つくばみらい市 広報紙(コウモリの侵入対策)
フンを見つけたら
つくばみらい市の公式サイトによると、野生のコウモリには寄生虫や感染症の原因となる菌やウイルスが付着しているおそれがあるため、素手で触らないよう案内されています。
また、家の周辺にフンがたまっている場合は、建物の中に住み着いている可能性がある、とも案内されています。
家のまわりでフンを見かけたら、それはコウモリが近くをねぐらにしているサインかもしれません。
フンの掃除や消毒の具体的な手順は、こちらでまとめています。

出典:つくばみらい市「広報つくばみらい」令和5年6月号(コウモリを見かけたら)
市役所は駆除してくれるのか
つくばみらい市の公式サイトでは、市では駆除や捕獲を行っておらず、追い払いや侵入予防は自分か業者で対応することになり、費用は自己負担になる、と案内されています。
朝倉市も同じように、市では捕獲・駆除を行っておらず、自分の管理地は自分で防除する必要がある、としています。
対応が困難な場合は環境課に相談すると、有料で対応可能な業者を紹介してもらえるとのことです。
この2つの市では、駆除や捕獲そのものは行っていない、という案内になっています。
お住まいの自治体がどこまで対応しているかは違いますので、一度問い合わせて確認してみてください。

出典:つくばみらい市「コウモリを見かけたら」/朝倉市「コウモリについてのお知らせ」
業者に頼むとき
八千代市の公式サイトでは、駆除等を依頼する場合は業者に相談することになり、有料であると案内されています。
北九州市の公式サイトでも、専門業者に依頼して捕獲する場合があり、その場合は福岡県の許可が必要になると案内されています。
自分でやる範囲と業者に頼む範囲の線引きについては、こちらでまとめています。

害獣プロガードの対応エリアや受付、依頼の流れは、こちらにまとめています。

出典:八千代市「ハトやコウモリが家に巣を作り困っています。」/北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」
コウモリかどうか分からないとき
天井から聞こえる音や、屋根裏・ベランダの気配が、コウモリによるものかどうかがまだわからない、という方もいると思います。
音の正体を絞り込む考え方は、こちらにまとめています。

天井から聞こえる音を、いつ鳴るかから見分ける方法は、こちらです。





