庭の木の上や塀の上を、見慣れない動物が歩いていくのを見かけた。
夜になると、天井のほうから物音がする。
それがハクビシンかもしれないと思って、調べ始めた方も多いと思います。
ここでは、自治体が公開している資料をもとに、「家でできること」と「役所や業者に任せること」を分けて整理していきます。
姿や物音だけで決めつけずに、資料に書かれていることを一つずつ確かめながら進めていきましょう。
ハクビシンはどんな動物か

まず押さえておきたいのは、ハクビシンが外から入ってきた動物だという点です。
八王子市は「外来生物であるアライグマやハクビシンに関する相談が市に寄せられています。」と記載しています。
小平市も、ハクビシンを外来生物として紹介しています。
船橋市によると、「生態系被害防止外来種リスト」で「重点対策外来種」に選ばれているとのことです。
生態についてご紹介します。
板橋区は、夜行性で夜間を中心に活動するものの、夕方や朝方など陽のある時間帯に活動することもある、としています。
木登りが得意で、電線の上を渡って移動することもできるそうです。
練馬区も、高い所が得意で、雨どいや電柱なども上手に上ると案内しています。
食べ物は、果物を好むとのこと。
高いところを伝って動ける、果物が好き。
この2つは、このあとの寄せつけない工夫の話にもつながってきます。
ほかの動物との見分け方は、こちらの記事でまとめました。

外来種としての扱いは、こちらの記事でご紹介しています。

出典:板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」/小平市「ハクビシンとアライグマについて」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」
家や庭で起きる被害
家の中の被害について、板橋区は「家屋内に入り込まれた場合、ふん尿による悪臭・カビの発生・家屋の破損、汚損などの被害が報告されています。」と記載しています。
練馬区によると、入り込まれる先は主に天井裏・屋根裏とのこと。
船橋市も、予想される被害の一つとして、天井裏や軒下、床下にすみつかれて物音がすることを挙げています。
庭まわりの被害もあります。
船橋市が挙げているのは、敷地内の柿やブドウなどの果実を食べられる、ペットのえさを食べられる、ベランダなどにフンをされる、といったものです。
練馬区も、いちじく・びわ・柿・ぶどうなどの果樹や、池の魚が食べられる被害を挙げています。
また板橋区は、ハクビシンは野生動物なので、寄生虫や細菌を保有していることがある、と紹介しています。
八王子市によると、天井裏や壁の中から音がする場合に、アライグマやハクビシンなどが侵入している可能性がある、とのこと。
物音がするからといって、それがハクビシンだとは限りません。
壁の中から音がすることがあるというのが、垂直移動が得意なハクビシンらしいと感じます!
屋根裏にいる動物の候補をどう絞っていくかは、こちらでまとめています。

被害の跡の見つけ方や健康面で気をつけたいことを、以下の記事でまとめています。


出典:板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」
見かけたら、触らない・自分では捕まえない
ハクビシンを見かけたとき、小平市は「見かけただけでは心配いりませんが、野生動物なのでエサをあげたり触らないようにしましょう。」と記載しています。
板橋区と八王子市も、見かけてもエサを与えたり触ったりしないよう、同じように案内しています。
もう一つ押さえておきたいのが、捕まえることについてです。
板橋区の公式サイトには、「許可なくハクビシンを捕獲することは、鳥獣保護管理法により禁止されています。」とあります。
八王子市と船橋市も、許可なく捕獲することは禁止されていると案内しています。
船橋市は、被害が続いてやむを得ず捕獲が必要になる場合の対応の一つとして、個人で許可を取得する方法も挙げています。
見かけたときの対応は、こちらの記事でまとめています。

鳥獣保護管理法の骨組みは、こちらでまとめています。

ハクビシンの捕獲と許可については、別の記事で詳しく扱う予定です。
自分でやってよいことと、許可が必要なことの線引きは、こちらで整理しています。

出典:小平市「ハクビシンとアライグマについて」/板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」
ハクビシンを寄せつけない
家でできるハクビシン対策の中心は、寄せつけないための工夫です。
自治体が紹介している工夫は、エサ・屋根への足場・隠れる場所の3つに分けて整理できます。
エサを断つ
板橋区は「敷地内の果実を早めに収穫するかネットなどをかけてください。また、生ごみ、ペットフード、果実などを屋外に放置しないでください。」と記載しています。
練馬区も、庭木の果実を残さず収穫する、家庭菜園をネットで守る、池で魚を飼っているなら金網で覆う、といった方法を挙げています。
八王子市も、果樹を早めに収穫すること、ペットのエサや生ゴミを野外に放置しないことを、同じように案内しています。
八王子市は、敷地内にエサが豊富にある場合は、捕獲用箱わなを設置しても捕獲効率が著しく低下する、とも書いています。
エサを片づけておくことは、あとで自治体の捕獲事業を使うときにも関わってくる話です。
屋根への足場を断つ
板橋区は、樹木や電線をつたって屋根裏に侵入することもあるので、屋根に登れるような庭木の枝を剪定するよう案内しています。
練馬区・小平市・船橋市も、屋根や家に向かって伸びる木の枝を切るよう、同じように案内しています。
隠れる場所を減らす
八王子市は、庭に樹木や草が茂っている場合は手入れをして見晴らしを良くし、動物が潜む場所をなくすよう案内しています。
船橋市も、敷地内の草木の手入れに加えて、物置などをこまめに見回り、住みつかれないようにすることを挙げています。
忌避剤について
忌避剤については、資料によって書き方が違います。
練馬区は「竹酢、木酢等の忌避剤が有効な場合があります」と書いています。
船橋市は、木酢液を薄めたものや、ホームセンターで購入できるような忌避剤を使うと寄り付きにくくなると案内しています。
あわせて、日が経つと効果が下がるので、定期的に散布するよう添えています。
練馬区は「有効な場合があります」という書き方で、船橋市のほうは寄り付きにくくなると言い切る書き方になっています。
忌避剤の選び方は、こちらの記事でまとめました。

出典:板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/小平市「ハクビシンとアライグマについて」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」
家に入られたときは「追い出してからふさぐ」
家の中に入られてしまったときの進め方は、八王子市の資料が3つの段階に分けて案内しています。
前提として八王子市は、侵入している動物を捕獲しても、すぐに別の動物が侵入する可能性があるので、まずは侵入口をふさぐことが有効だ、としています。
1. 侵入口を確かめる
八王子市が侵入口の例として挙げているのは、軒下のすき間、床下通気口、換気口、戸袋、増築した建物と既存建物の接続部分のすき間などです。
侵入口が1か所とは限りません。
板橋区も縁の下・換気口・軒下を、船橋市も換気口・軒下・戸袋を挙げています。
床下の換気孔については、ふさぎ方で注意したい点をこちらでまとめています。

ハクビシンの侵入経路は、こちらに記載しています。

2. 追い出す
八王子市は、天井の点検口などを開けて天井裏で燻煙剤を使い、煙を充満させることで、動物が一時的に建物から逃げていくことがある、と案内しています。
船橋市もくん煙剤を焚く方法を挙げ、野生動物を追い出せる可能性がある、としています。
小平市は、くん煙殺虫剤をまいて追い出す方法に触れたうえで、使うときは説明書をよく読み、正しく使用するよう案内しています。
くん煙剤を使う前に確かめておきたいことは、こちらでまとめています。

3. 金網などでふさぐ
八王子市は、動物を追い出したのち、侵入口を金網等でふさいで再侵入を防ぐ、としています。
中にいるうちにふさぐのではなく、追い出してからふさぐ、という順番です。
ふさぎ方について、小平市は「侵入口をふさぐ方法については、家を建てた大工さんや工務店へ一度ご相談ください。」と記載しています。
屋根裏の動物を追い出してふさぐまでの流れ全体は、こちらでまとめています。

侵入口が見つからない、自分ではふさげない、という場合の案内は最後にまとめています。
出典:八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」/小平市「ハクビシンとアライグマについて」
区や市の捕獲事業を使う
寄せつけない工夫や追い出しをしても被害が続くときは、自治体の捕獲事業を使える場合があります。
練馬区によると、東京都は平成25年に「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」を策定しており、各区や市町村がこの計画に参加しています。
小平市も、この計画に基づいて捕獲を行っているとのことです。
事業の中身は、自治体ごとにかなり違います。
練馬区では、被害が出ている住宅を対象に、無料で業者が現地調査を行ったうえで、わなを設置してくれます。
(現地調査の結果、わなが設置できないケースもあります。)
板橋区では、区が委託した専門業者が箱わなを設置し、設置から処分まで区が費用を負担しています。
用意するのは、箱わなに入れるエサだけとのことです。
目撃のみで実害が発生していない場合は対象外としています。
小平市は、「特段の被害がなくとも、相談者の協力が得られる場合には、捕獲を実施しています。」と記載しています。
捕獲器の設置には条件があるので、担当部署に連絡してみましょう。
八王子市では、防除対策をしても被害が防げない場合に、同じ場所につき年度ごとに1回、捕獲用箱わなを設置できます。
条件があるので、担当部署に確認が必要です。
千葉県船橋市は、生活被害をもたらしたハクビシンについて、防除のためのワナの貸し出しを行っています。
このように様々な捕獲事業があります。
まずはお住まいの市区町村の公式サイトなどで確認してみてください。
とても助かる補助があるかもしれません!
市役所に相談する場合はこちらの記事にまとめています。

出典:練馬区「アライグマ・ハクビシン対策」/板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/小平市「ハクビシンとアライグマについて」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」
業者に頼むことを考えたい場面
ハクビシンの退治を役所にお願いできるかどうかは、作業の中身によって変わってきます。
役所が引き受けないこと
小平市の公式サイトには、「家屋内にアライグマやハクビシンが侵入した場合、市では直接的な対応ができません。」とあります。
続けて、自分で対策を行うか、専門業者に依頼することを検討するよう案内しています。
八王子市も、屋内への立ち入り調査、天井裏などに侵入した動物や侵入口の特定、天井裏などの清掃・消毒、建物の補修は、市では行っていないとしています。
板橋区は、区の事業の対象にならない作業について、自己負担を判断のうえで、自分で専門業者へ依頼するよう案内しています。
少なくともこれらのケースでは、家の中の作業は「自分でやるか、業者に頼むか」のどちらかになる、ということです。
もちろん自治体によってさまざまなので、お住まいの自治体の公式サイトなどをチェックしてみてください!
自分では難しいと資料が挙げている場面
資料が、自分での対応が難しい場合や、業者への依頼として挙げているのは、次のような場面です。
- 侵入口の場所が特定できない(八王子市)
- 天井裏などの清掃・消毒をしたい(八王子市)
- ふん尿の撤去・清掃・消毒をしたい(板橋区)
- 侵入路をふさぐ施工をしたい(板橋区)
- 動物がハクビシンかどうか分からない(板橋区)
- 区の事業が終わったあとも、わなをかけたい(板橋区)
- 被害が続き、やむを得ず捕獲が必要になった(船橋市)
八王子市は、侵入口の場所が特定できないなど自分での対策が難しい場合や、天井裏などの清掃・消毒を行いたい場合に、民間事業者を紹介する団体へ相談するよう案内しています。
民間事業者に依頼する場合は有料になる、とも書かれています。
船橋市も、捕獲が必要な場合は土地所有者が民間の業者へ直接依頼するよう案内しており、費用は自己負担としています。
業者に相談するときの考え方
自分で対応するのが難しい場面の多くは、侵入口を探してふさぐ作業や、天井裏の清掃・消毒にあたります。
高いところや狭いところ、暗いところでの作業であったり、薬剤などを使う作業です。
慣れない作業では危険を伴いますし、防毒マスクなんかを買うのも手間がかかります。
こういうケースではプロの業者に依頼するのもいい選択肢だと思います!
駆除業者は「現地調査、見積もり無料」のところも多いです。
一度見てもらって、気になることなどをすべて聞いてみるのもおすすめです。
ハクビシンの駆除を頼める業者や費用の話は、別の記事でまとめる予定です。
害獣プロガードの対応エリアや受付、依頼の流れは、こちらにまとめています。

出典:小平市「ハクビシンとアライグマについて」/八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」/板橋区「ハクビシン(外来生物)の被害について」/船橋市「ハクビシンについて知りたい」



